2007年春、ドバイを視察する機会があった。2006年頃までは、日本でのドバイの情報はそれほど目だっていなかったように思うが、2007年春以降は、一般紙,経済紙,TVなどがドバイ特集を立て続けに組み、ドバイを始めとする中東産油国の情報が急速に日本に流入している。某スーパーゼネコンでは、2007年春のドバイの第一印象は、聞きしに勝る猛烈な建設ラッシュで、一体これ程の建設を満たす需要は、どういう構造で発生しているのか、その唖然とする建設光景を見ながら呆然と考えざるを得なかった。聞くところによると、世界の総タワークレーンの1/3〜1/4が、ドバイに集中しているとも言われている。事実、新市街地の中心部にたってぐるりと周りを見渡せば、30〜40本のタワークレーンを一度に目にすることが出来る。開発エリア内で、100本単位で超高層ビルを建てるプロジェクトも有るとか。用途は主として、オフィス,ホテル,住宅である。オイルマネーの力を背景にポスト石油社会を見通しつつ、金融,物流,交流など切り口に、世界市場を視野に入れた巨大な都市マグネットを創出しようとしているかのようである。そういえば、日本でかつてバブルの頃の都市開発コンセプトのキャッチフレーズで、“需要創造型の開発”といった言い回しが流行ったが、そのことをドバイで林立するタワーを見ながら思い起こした。ドバイの開発の様子に驚嘆したり反発を感じながら、<都市を開発する>とはどういう意味を持つのか、ということを考えさせられる。
見方によっては常軌を逸したような開発に加えて、潤沢なオイルマネーを使った政府系ファンドが、他国の都市にも触手を伸ばしているようだ。
このようなドバイを見ながら、改めてそのような同時代世界の中で、日本の都市づくりは如何なる戦略をとるべきかについて、思いを至らさずにはおれない。
P.ドラッカーは、実際にはお互いにほとんど関わりのない市場が3つあると言った。一つは、世界規模で動くかね(グローバル市場)。二つ目は、国内レベルで動く金(国内市場)。三つ目は、地方レベルで動く金(地場市場)。
先に述べた政府系ファンドなどは、典型的な世界規模で動く金であろう。このようなマネーの構造を視野に入れつつ、関西を元気にする,大阪を元気にするとはどうすることか。彩都を活性化させるとはどういうことか、地方都市・地方商店街・郊外ニュータウンなどを活性化させるとはどうすることかについて、高度でかつしたたかな戦略性を持つ必要があろう。ところで、ドバイの20年後はどのような都市になっているであろうか。人間味があり、潤いのある都市づくりが出来ているだろうか・・・。